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「もしも」を考えていく、コロナへの感染が日常になった今だから
「もしも」を考えていく、コロナへの感染が日常になった今だから

監修にあたって

新型コロナウイルス感染症の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」(厚生労働省発表)となりましたが、今なお、罹患後症状がみられる方、重症化される方がおられます。今後も一定の流行が続くと予想されており、新たな変異株が出現した場合の対応も含め、最新の正しい情報を得て、大切な人々と自分自身を守るためにも、感染対策の基本を守っていきましょう。

三鴨廣繁先生

愛知医科大学 臨床感染症学講座・教授
日本学術会議連携会員

三鴨廣繁先生

新型コロナウイルス感染症についての最新情報
(令和6年夏季)

01

感染波の予測

7〜9月に新型コロナウイルス感染症の感染波が予測されています

新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」※1に移行されてから1年以上が経過しましたが、他の感染症と同様に、今年の夏も再び感染拡大する懸念があります。厚生労働省、国立感染症研究所によると、新型コロナウイルス感染症「第9波」 以降の令和6年5月より全国で新型コロナウイルス陽性者が再び増加傾向にあります※2。「第9波」のピークが昨年の夏季(8月末から9月上旬)であったことを踏まえると、次の感染波のピークは今年の夏に達することも予想されるため、感染症の警戒を怠らず、家族と自分を守るために最善の準備をしておきましょう。

※1 厚生労働省, 新型コロナウイルス感染症の国内発生状況等について.(外部サイト) 外部サイト (閲覧日:2024年6月20日)
※2 「新型コロナウイルス感染症定点当たり報告数(全国)推移」厚生労働省HP及び国立感染症研究所HP

新型コロナウイルス感染症定点当たり報告数(全国)推移

厚生労働省、国立感染症研究所の発表では、2023年はこのような推移を辿っています。

新型コロナウイルス感染症定点当たり報告数(全国)推移
02

変異株と症状

最新の新型コロナウイルス変異株について

新型コロナウイルス感染症が5類に移行された後も、ウイルスは増殖や感染を繰り返す中で少しずつ「変異」し続けています。現在はKP.3系統を含む、JN.1系統とその亜系統およびXDQ.1系統が主流となっています※1※2。変異株の種類によって、症状や罹患後症状(後遺症)も変わってきています。

新型コロナウイルス感染症の主な症状※1※2

新型コロナウイルス感染症の主な症状
新型コロナウイルス感染症の主な症状

感染後の経過の主なパターン

感染後に潜むリスク
感染後に潜むリスク

※1 Tsuchida T, et al. Clin Exp Med. 2023 ; 23 : 3663-70.
※2 Sakurada Y, et al. Medicina (Kaunas). 2023 ; 59 : 261.

罹患後症状(後遺症)の例

感染後、少なくとも2ヶ月以上症状が続き、感染性が消失した後も他の疾患による症状として説明がつかないものを罹患後症状(後遺症)と呼んでいます。通常は、発症から3ヶ月経った時点にも見られます。目安として1ヶ月以上症状が続いていたり、新たな症状が現れたりする場合は罹患後症状(後遺症)の可能性が疑われます。

罹患後症状(後遺症)の例
罹患後症状(後遺症)の例
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罹患後症状以外の病気が原因の場合もあるため、万が一このような症状が出た場合にはかかりつけ医等に相談してください。

新型コロナウイルス感染者の約10~20%に
罹患後症状が発生するとされています※1

新型コロナウイルス感染症の罹患後症状は、ほとんどの方が時間経過とともに症状が改善します。一方、症状が残存する方も一定程度いるという結果等も得られています※2。また、罹患後症状(後遺症)の発症時の新型コロナウイルス感染症の重症度が軽症以下だった方は97%であったとの報告もあります※3

罹患後症状(後遺症)割合

※1 ※2 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A. 2024. (外部サイト) 外部サイト (閲覧日:2024年6月20日)
※3 第88回 東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和4年5月26日). (閲覧日:2024年6月20日)

罹患後症状(後遺症)を発症しやすい人はどんな人?

中年、女性、感染症の症状が重かったことなどが、罹患後症状(後遺症)のリスク因子として報告されています※1。ただし、さまざまな報告があり、下記に該当しない方でも注意が必要です。

新罹患後症状(後遺症)を発症しやすい人
新罹患後症状(後遺症)を発症しやすい人
03

感染対策

新型コロナウイルス感染症を予防するために、できること

新型コロナウイルス感染症は「5類感染症」へと移行となり(厚生労働省HP※1)、現在は、一律の対応を求められてはいません。感染対策の実施については個人・事業者の判断が基本となっていますが、大切な人々と自分自身を守るためにも、いくつかの衛生習慣を覚えておきましょう。

予防の方法
予防の方法
04

感染時の対処法

新型コロナウイルス感染症に感染した場合の推奨される行動

もしこの夏、新型コロナウイルスに感染してしまった場合…
新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に移行(厚生労働省HP※1)されてからは、法律に基づく外出自粛は求められていません。外出を控えるかどうかは、個人の判断に委ねられています。ただし、特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことから、発症日を0日目として5日間は外出を控えることが推奨されています。また、10日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があることから、不織布マスクを着用したり、高齢者等重症化リスクの高い方と接触は控える等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
詳しくは、厚生労働省HP「 新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について」(外部サイト)外部サイト をご参照ください。

外出を控えることを推奨

・発症後5日間経過
かつ
・熱が下がり、症状軽快から24時間経過まで

周りの方への配慮

・発症後10日間が経過するまでは、不織布マスクを着用、高齢者等の接触を避ける等の配慮を心がける

推奨される行動
05

感染時の治療法

現在では新型コロナウイルス感染症はインフルエンザ同様、お薬による治療法があります

症状や基礎疾患などによって、一人ひとりに適した治療が異なります。現在では治療の選択肢が広がり、インフルエンザと同様に、ウイルス自体を直接やっつける治療(抗ウイルス薬治療)なども選択できるようになりました。各々の健康状態に応じた治療法があるので、適した治療法についてはかかりつけ医等にご相談ください。

主な治療法は?

治療法の種類
治療法の種類

治療法に応じて様々なリスクや不安を減らすことが期待できます

リスクや不安
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治療によって様々なリスクや不安を減らすことができるかもしれませんので、気になる場合にはかかりつけ医等に相談しましょう。

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